| 会社名(提供元) | 実務教育研究所 |
|---|---|
| 受講した通信講座名 | 校正実務講座 |
| 取得を目指した資格 | 校正士 |
| 試験の結果 | 合格 |
| 受験回数 | 1回目 |
| 通算学習時間 | 20時間〜50時間未満 |
| 受講料 | 5万円〜7万円未満 |
| 性別 | 女性 |
| 受講当時の年代 | 60代以上 |
| 受講当時の職業 | パート・アルバイト |
| 講座の満足度 | ★★★★★ 4(満足) |
※本記事は個人の感想・実体験に基づくものです
作家になりたかった主婦の夢
人が夢や目標を追いかける時、ぶれない気持ちは実現への第一条件のように賞賛される。しかしわたしの場合、ぶれなかった自分を、通信講座を受ける時期になってはじめて恨めしく思い、後悔もした。
結婚生活やパート勤務をして平凡な生活を送りながらも、たったひとつ消えない夢があった。小さな頃から本が好きだったわたしは、作家になりたいという思いを抱き続けていた。いくつかの小さな望みやありふれた仕事の選択肢はあったものの、作家になりたいという気持ちは他の想いを寄せつけなかった。
十年ほど前、雑誌で校正の仕事をしている読者の体験談を目にした時も、特に気にかけなかった。さらにそれから数年が経ち、わたしは代わり映えのしない生活を続けていた。こころを占領しつつあったのは、昔からの夢ではなく、それに対する諦めの気持ちだった。
校正との出会いと通信教育
そんな時ふと思い出したのが、雑誌で見た校正の文字だった。地方在住で、自分一人だけのために行動できる環境ではなかったので、通信教育の受講が最良だった。曇り空の隙間から薄い光が射した気がした。
活字を扱い、ことばを吟味する学習だというのは、文章に親しんできた自分には、これまでにない希望の光に思えた。作家と言えば、いまは掃いて捨てるほど作家と名乗れる人がいる。同人誌にせよ、インターネットの世界にせよ、簡単に作家になれる時代になった。
わたしはそういう世界にさえまだ遠い。せめて活字を扱う自分になりたい、そう思ったのが校正に関心を持った入口だった。
実務教育研究所を選んだ理由
通学と通信のコースがある日本エディタースクールと、通信だけの実務教育研究所の二校を比較した。受講期間が六ヶ月であることと、受講料が入学金を含めて約四万五千円と、より安く早いという単純な理由で、実務教育研究所の校正実務講座を選んだ。
とは言え、申し込みを一日延ばしにしていた。たいした収入もない主婦業のわたしには、その学費は決して潔く払えるものではなく、気持ちとは反対に行動が止まっていた。
ところがそんなある時、案内書を取り寄せていたところ、事務局からダイレクトメールが届いた。期間限定で受講料が割引になるという知らせだった。これは申し込めという天の声、縁があったのだとばかりに、わたしは舞い上がった。
校正実務講座と上級コース
教材が届いてからは、仕事がない日は夫を送り出したあと、一日七~八時間を学習に費やした。内容はもともと本好きなわたしには興味深く、校正の知識が増えることは嬉しかった。単元ごとの課題と週末試験、全七回の報告課題の提出は合格できた。
その後、時期を待って認定試験を受けることもできたが、更に深く学習できる上級の技能錬成コースを三ヶ月間受講した。
受講料は最初のコースとほぼ同じだったが、教材には文学作品や歴史の説明、口語調のおとぎ話など、内容も濃かったし、読み込む忍耐力がついた。難しいと感じたが、更に料金を費やしただけの値打ちはあった。
校正士認定試験に合格するまで
最初の申し込みから約一年後、校正士認定試験に合格した。受講中は数人の講師が担当していたが、校正記号などにはその人それぞれの癖ややり方があるらしく、講師によっても違うし、教材に印字された通りの記号とは限らなかった。
はじめは戸惑ったが、大事なのは、どこがどう違っていてどう修正するべきか、という点だと感じた。記号の書き方にも、譲れない部分と幅のある部分とがあった。
誤字脱字は何とか克服できても、英文字や数字の校正は苦労したし、まだ自信がない。

校正の仕事探しと通信講座の現実
校正士になった後、研究所のほうからは就職斡旋の援助登録もあり、もちろん書類も送ったが、予想通りなんの音沙汰もない。
そうばかりではないのだろうが、通信講座は受講が終われば、あとは自分で仕事を探すのが当然だろう。大学生じゃあるまいし、事務局を頼るのはお門違いかもしれない。
わたしはネットで検索し続けたが、実務経験ありが条件であるのが普通で、これではボランティアで何年か仕事をするしかないと嘆息した。感謝こそすれ、事務局を恨んではいけない。現在も諦めずにアンテナを張っている。
どんな資格でも、すぐに仕事にできないものはあるし、そのほうが多いだろう。しかし、それに費やした時間とこころは無駄ではなく、もし永遠に自分しか知らない誇りのまま終わったとしても、自分の底力となって最後まで支えてくれるはずだ。
ぶれる気持ちを受け入れる
冒頭でぶれない気持ちについて書いた。わたしは受講中、何度後悔したことだろう。作家などそう簡単にはなれない。
その代わりのものを見つけるのではなく、校正のように同じ言葉を扱う仕事を手にしながら、希望に向かうこともできただろう。もっと早くに校正を学習していたら、もっと多くの喜びを知ることができたと思う。
作家という一つの夢だけに固執すべきではなかった。ひとつの希望だけを追うのではなく、よそ見もし斜め見もして、ぶれる気持ちを拒否することなく、小さな可能性を見逃さないこころを養うべきだと痛感している。
校正士が校正実務講座で学ぶ技術
校正実務講座では、印刷する前の文章を元の原稿と見比べて、文字の間違いを直す方法を学びます。書かれた内容が事実として正しいかを調べる校閲とは、別の仕事です。学ぶのは校正記号、漢字や仮名の使い方、数字や欧文の確認など。誤植がなぜ起きるかまで、原因をたどって学びます。
ご本人も、誤字脱字は直せた一方で、英字や数字の校正には苦労したようです。数字や記号は、一字違うだけで意味が変わります。だからこそ、細かい部分を見落とさない練習が必要です。どこでつまずくかを知っておくと、上達への近道になるはずです。
校正士の働き方と実務経験の壁
校正士は、実務教育研究所が修了生を対象に認定する資格です。試験は在宅を想定し、締め切りまでに自宅で校正して提出する実践的な形です。ただ、資格を取っても、すぐ仕事につながるとは限らないでしょう。
校正の働き方は、社員やパート、派遣、フリー、自宅で受けるホーム校正までさまざまです。実務教育研究所も、経験を重ねたフリーの校正者ほど条件よく働けると説明しています。ご本人も、資格を取ったあとに応募したものの、実務経験ありの条件にぶつかったようです。
未経験からどう経験を積むかが、この仕事の最初の壁になります。講座を選ぶときは、修了後に仕事の紹介があるかどうかも合わせて調べておきたいところです。学んだあと、どう仕事につなげるかまで考えておくと、遠回りを減らせるはずです。
まとめ
作家になる夢を長く抱いてきた60代の方の体験談です。通信の校正実務講座で学び、校正士に合格しました。仕事探しでは、実務経験の壁もあったようです。それでもあきらめず、今も校正の仕事を探しています。
